猫は太陽が好きなんだ
「ごめん…理子!」

緊張と恥ずかしさが交じり合って顔が赤くなる。
目の前に居るのは太陽。

「遅いよー!早く行こ!」

そう言って夏樹の手をとる。

何事も無かったかのように。


「あ、そうだ。夏樹君に変な写真見せてあげる!」

「え?」


そういうと夏樹の携帯が音を鳴らす。

携帯の画面を見てみると理子が写っていた。

「変な写真でしょ?」

「あ、あぁ。そうだね…。」

そうやって空を見上げる。
その写真には、もう猫は写っていない。

「なぁ!理子!写真撮ろ!」

「え?」

そう言うと夏樹は理子を抱き寄せて顔をくっつけて写真を撮った。


あの時のように夏樹の顔は赤く写っている。

その写真は猫ではなく、ちゃんと理子と夏樹が顔をくっつけて写っていた。



終わり
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