水泡玉~先輩~



少し冷静になってきたときに
耳に入ってきたのは

インターバルの笛の音

やばい!
こんなことしてる暇なんかなかった!
と思いながら

今の状況をすべて把握できないままでいた


『先輩・・・?
 もうそろそろ』

と私が言ったとき

すっと
先輩の腕が離れた


なんだか
安心したような
寂しいような

そんな感覚に襲われた


『ごめん、俺、』

と今自分がしたことを少し後悔しているようだった


『嬉しかったですよ、』

とっさに出た言葉
きっと私、すごく嬉しかったんだ


先輩、先輩

もっともっと彼方に近づきたいです。


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