素直にカエル ~先生の隣で~


「なあ…?」


最初に沈黙を破ったのは先生…


「…はい?」


「たしか…吉岡って生物キライなんだよなあ?」


先生はゴソゴソと段ボールをあさりながら話しかける…


「あ…はい」


「どこがキライなんだ?」


「え~…」


私は考えてみた…


『カエルとか…キモいもんなぁ…』



小さい頃、大きな茶色のカエルが外で遊んでいた私に飛びかかってきた…


当然、私は大泣き…


その後、お父さんが取ってくれたけど…


あのリアルなグニッとした感触が忘れられない…



「生物って…キモいじゃないですか?」


「えっ!?キモい?」


先生がこちらに顔を向けた…


驚きつつ、どこか悲しげ…


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