素直にカエル ~先生の隣で~


「よしっ!!じゃーコレ持って??」

ニヤリと先生は笑いながら、プリントを渡された…

「なにコレ……きゃあッ!!」

渡されたのは…カエルの体の図…

ぐにょーんと両手足が伸ばされたリアルな図…

「あはは!そんなイヤがんなくてもいいだろ?」

「ヤダ…キモい!最低っ!」

「なんでだよ!…ったく…しょーがねぇな!」

先生は笑ってプリントを持ってくれた…

「じゃぁ…こっち持って?」

先生は、自分の教科書などと交換してくれた…

「ふせんが…いっぱいだね?」

「オレだって、勉強しなきゃわかんねーもん…生徒に嘘は言えねーし?」

「そっかぁ…そうだよねー」


先生も大変だなぁ…なんて改めて思う…


「だからー!吉岡も生物頑張れよ?」

「んー…努力はしてるんだけどなぁ…」


苦手だから、他の教科より勉強してるつもりなんだけど…


やっぱり苦手なんだよなぁ…


「オレに聞きに来ればいいのに…」

「そしたら…教えてくれる?」

「ああ、カエルたっぷりでな!」

「うわ……絶対行かない!中川先生んとこ行く!」

「こら!中川先生は3年の先生だろーが!」

「選択で教わったから、仲いいんですー!」

「そうですか!…じゃぁ、勝手にしてください!」

先生はちょっとスネたように、窓に目をうつした

「なに~?先生ってば…変なの!」

「別に…変じゃねぇよ!」


そう言ってプリントでポンッとたたかれた…


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