時計仕掛けの宝石箱
地の底から響く低い、静かな声を聞き、ぴたりとふたりは止まった。

今がどういう状態なのかを思い出して、頭を垂れる。

それを見て、ラディオルはほんの少し息を吐いた。

「‥状況を考えて行動しろよ。今戯れてる時間はない」

「でも」

「トーマ」

咄嗟に言い募ろうとしたトーマに、エディリーンは優しく言った。

「お願いね、トーマ」

「‥‥あぁ」

トーマが頷いたのを確認して、エディリーンはルシャアナに視線を送る。

「‥もう大丈夫です、エディ。‥申し訳有りませんでした」

「私は謝られる事をされた覚えはないわ」

微笑んだエディリーンの顔を見、ルシャアナは気まずそうに俯いた。
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