時計仕掛けの宝石箱
けれど、この四人の中でも‥。





格が、違う。





サーシャはそれをはっきりと感じ取っていた。

「‥ルナ」

「なんですか?」

「その<旋律>を押さえたら?」

「‥‥どういう事ですか?」

少女は美女を見上げ、サングラスを外した。
それを見て、サーシャの背筋に冷たいモノが駆けていった。

吸い込まれそうな紫電の瞳。まるで全てを見透かす水晶玉のように、美しく輝いていた。

その瞳の奥深くにある強い光が、美女を射る。

「普段より、強く発しているでしょう?‥彼女を嘲るような事はやめなさい。

‥‥大丈夫?」

最後の言葉は自分に向けられたものだという事は、彼女が肩に触れた時に初めて気付いた。

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