時計仕掛けの宝石箱
「‥有り得ないはずなんだけどね‥。

でももしかしたら‥

‥<扉>が僕達シェレスに対する人間の行為を危険視して、今まであった<秩序>を変えたのだとしたら‥。

無いとは、言えないね。

何せ、<扉>にとってシェレスは身を護る武器でもあり、子どもでもある。

長年に渡って人間がシェレスにしてきた行為、そしてあまりに‥身勝手な振る舞いに、怒りを感じたのかもしれないね」

独り言のようなその言葉に、四人は反応出来ずにいた。

セカイの根底である<扉>が定めた、セカイを維持するための規則が変えられたのだとしたら。

何があっても、おかしくない。

予測するのでさえ困難になる。

苦難である事態の可能性を知り‥。






それでもハロルドが見せたのは、笑顔だった。
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