時計仕掛けの宝石箱
「やあぁっと来たの?待ちくたびれたよ、エディ」

ちっともそう思っていない笑顔で、待ち人を迎えた。

少年の前に立って同年代くらいの少女は、少し不服そうに頬を膨らます。

「たった三分の遅刻じゃない」

「残念!俺は待ち合わせの十分前に来たんだよね」

「トーマが早いだけでしょ?

‥まぁ、遅刻は謝るけど」

「なんだそりゃ」

トーマはベンチから立ち上がり、大きく伸びをした。

形容できないような声を聞き、エディはくすくすと笑う。

「‥なんだよ?そんなにおかしいか?」

「ううん。子供っぽいなって思っただけよ」

途端に少年は顔を赤くした。

「ばっっ!俺は子供じゃねえっ!歳だって、エディと大して変わらないだろ?!」
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