時計仕掛けの宝石箱
エディリーンは三人を静かに見据え、口を開いた。

「さぁ、戻りましょう。任務を賜ったからには、すぐに実行しなくてはいけないわ」

皆、真剣な目差しで頷いた。ルシャアナは、つっ、と眼鏡を押し上げて資料に目を落とす。

「そうですね‥。

取り敢えず、一度各自で調査してから行動した方が良いでしょう」

ルシャアナがそう提案したのは、各々が持つ独自のネットワークが全く異なっているためである。

多方面から調べ、それと思われる情報を掴んだら、より絞っていく腹なのだろう。

「じゃあ調査結果が出たらエディに連絡するとして‥どこで話し合う?」

固まってしまった体のあちこちをほぐしながらトーマは問う。それにはラディオルが軽く手を挙げたて応えた。

「俺の執務室でいい。報告が全てエディの元に届いたら招集。その後の計画を立てよう。

その際の連絡役はエディでいいな?」

一応疑問符を付けているが、頼んでいるわけではない。

<jewel>を束ねるリーダーたる以上、その役目は当然エディリーンがこなすものであるからだ。

もちろん、エディリーンも異議はない。
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