愛 離~求め続けたモノ~
トクン、トクンと響く心音は、いつも聞き慣れたモノで。
早く離れようと内心で思っていても、身体は動いてくれない。
身体はホントに正直で、私の本心に忠実なんだ・・・
「今すぐはムリでも、“その先”はずっと続いてるだろ?」
「っ・・・」
「俺の気持ちは、初めて会った日から変わんねぇ。
これからも、ずっとな…?」
「うぅっ・・・」
“ずっと”の言葉が、頑なだった私の心を溶かしてしまって。
慣れ親しんだ背中にとうとう、ギュッと手を回してしまう。
「だから、もう別れるなんて言うなよ?
マジでこの3日間、どんだけへコんだと思ってんだ…」
「ごめっ・・・」
「ハハッ、冗談だよ!
それより時間だし、もう行くぞ?」
そう一笑した英大は、私を引き離すと涙を拭ってくれた。