愛 離~求め続けたモノ~
その指のなぞり方も、目を細めて笑う表情も。
英大の何もかもに、愛おしさが増していく…。
「行くって…?」
「俺もこれから、一緒に美波の親父さんの所に行く。
早く会って、挨拶だけでもしたいんだ」
「…っ、ホントに…?」
「じゃなきゃ、スーツなんか着ねぇし…」
「英大…、大好き」
「俺は、それ以上だけど?」
そう言って、恥ずかしそうに顔を逸らした彼の腕に手を掛けた。
父の待つ愛知県へと息急ぐように、2人で改札をくぐり抜けた・・・
人生には出会いもあれば、辛い別れもあるけれど。
でも、逃げてばかりじゃダメだと知ったの。
これから待ち構えている、すべてのモノに正面から向き合っていきたい。
貴方という、何よりも大切な存在があるから。
きっとすべてを乗り越えて、日々を生き抜いていける気がするの・・・
【終】