□■君のこと好きなんだ。■□
僕は執事様。
誕生日プレゼント
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『ひかり、今年の誕生日プレゼントは、何がいいかな?』
『いつも勉強頑張ってるんだから、何でも好きなもの言いなさい?』
ひかりは、この両親が苦手だ。
何においても、ひかりの機嫌をとろうとしているようにしか思えないし、
なんでもかんでもひかりに決めさせるからだ。
ひかりは西川財閥の後とり娘で、高校1年になったが、
まだ両親たちとは対照的な、引っ張っていってくれるような存在が必要だった。
彼女は少し躊躇したが、意を決して口を開いた。
『あたし…誕生日には、白いおっきなグランドピアノが欲しい。』
『ほぉ。ピアノか、わかったぞ、ひかり。』
父親が足を組んで微笑んだ。
『それと…----』
『それと?』
『…執事さんが欲しい。
若くて力持ちで頼りがいのある、引っ張っていってくれるような執事さん。
だめ…かなぁ…?』
ひかりは小首をかしげ、両親を見た。
彼らがダメと言うはずがないということを彼女は知っている。
そもそも、ひかりがこんなことを言い出したのは、
"もうこんな両親には頼るに頼れない…だったら頼りがいのある人を呼べばいいんだ"
といった考えからだった。