□■君のこと好きなんだ。■□
いくみに手を引かれるまま付いていくと、メイドさんの部屋の隣にある、執事用の部屋にたどり着いた。
ひかりは椅子に座らせられて、冷たい飲み物を差し出された。
『ほらっ、これ飲んでっ』
いくみの手からコップを受け取り、少しずつ口に運んだ。
5分くらいすると、少し落ち着いて、頭痛も引いてきた。
『ぁ、ありがとう、ぇぇっと…なんだっけ…』
ひかりはまだ名前を覚えていないようだ。
『藤宮いくみっ!いくみでいーよ♪』
『ぅん。ありがとう、いくみくん。』
彼女はいくみに向かってはにかみつつ微笑んだ。
いくみはこれにピンと来て、身を乗り出してひかりの顔に自分の顔を近づけた。
『…っ!』
ひかりはビックリしている。
『今さぁ、この部屋ぼくたちしかいないんだよぉ?
鍵かけてあるしね。』
『ぇ……』
またわけのわからんこと言い出した、この人。
なんて思いつつ、ひかりはじっと彼の瞳を見つめる。