□■君のこと好きなんだ。■□
彼女の誕生日だった。
パーティで具合が悪そうに部屋の隅にたたずんでいたもんだから、
連れ出して、執事専用部屋へ。
それは、ぼくが彼女の"執事"だからだったのかな。
それとも、ぼく自身がそうしたかっただけなのか??
とにかく、
メイクルームで彼女がぼくに見せた笑顔がもう一度見たかった。
なぜだろう、喜んでもらいたかった。
水玉模様のパンツ履くような、1つ年下のお嬢様なのに、
ぼくが遊んできた女の子たちと同じように
"遊んでみたい"、"いじってみたい"と思う。
『はいっ、これ飲んでっ!』
ぼくは水の入ったコップを差し出す。
『ぁぁ、ありがとう…ぇぇっと…』
彼女はぼくを見上げて、顔をゆがめている。
名前か。
名前なのか、この子が思い出そうとしているのは。
ぼくの名前なのか。
忘れたのかいっ。早!