一途なイケメン浮気性なブス
私は今年から明ノ宮(あけのみや)大学に通うことになった竹下優雫。
高校では特におもしろいこともなく、休み時間は図書館で好きな本を読んだり勉強をしたりしていた。
おかげで学業面では苦労することもなく、すんなりと大学に合格できた。
大学での専攻はイギリス文学。
幼い頃に旅行していた中でも印象に残っている街であり、あの曇り空の多さが今には合っていると思ったからだ。
大半の人は英米文学科に入学するのだが、私はあえて募集60名のイギリス文学を選んだ。
希望に満ちたアメリカの理念は、今の私には不要なものであったから。
なんてことを思いながら、洗面台で鏡に映った私を見て歯をみがいた。
部屋に戻り、白いクローゼットから着ていく服を選ぶ。
白のシャツに黒の長いスカートを取り、鏡の前に立つ。
「これでは少し寒いか、」とつぶやき黒のカーディガンを持ってくる。
うん。
いつからだろう
私のクローゼットから「色」というのが失われたのは。
白と黒のモノトーンで揃ったクローゼットの中は機械社会のように味気ないが、そこには判然さが生まれていて嫌いではなかった。
下から声が聞こえる。
高校では特におもしろいこともなく、休み時間は図書館で好きな本を読んだり勉強をしたりしていた。
おかげで学業面では苦労することもなく、すんなりと大学に合格できた。
大学での専攻はイギリス文学。
幼い頃に旅行していた中でも印象に残っている街であり、あの曇り空の多さが今には合っていると思ったからだ。
大半の人は英米文学科に入学するのだが、私はあえて募集60名のイギリス文学を選んだ。
希望に満ちたアメリカの理念は、今の私には不要なものであったから。
なんてことを思いながら、洗面台で鏡に映った私を見て歯をみがいた。
部屋に戻り、白いクローゼットから着ていく服を選ぶ。
白のシャツに黒の長いスカートを取り、鏡の前に立つ。
「これでは少し寒いか、」とつぶやき黒のカーディガンを持ってくる。
うん。
いつからだろう
私のクローゼットから「色」というのが失われたのは。
白と黒のモノトーンで揃ったクローゼットの中は機械社会のように味気ないが、そこには判然さが生まれていて嫌いではなかった。
下から声が聞こえる。