淋しがりやのルビー

「これ、うちの親戚の人が作ってて、ときおり送ってくれるの。普通のスーパーとかじゃ売ってないみたい。飲んでみる?」


首を傾げて、ジュースを二人のほうへ差し出す。


だけど、静は首を横に大きく振った。


「いい、いらない。あたし、生のトマトも火が入ったヤツもダメなんだもん。そんなの飲めない」


「わたしも……トマトジュースはちょっと。トマトソースは好きなんだけど、野菜ジュースが苦手で。

半分くらい果物の野菜ジュースなら飲めるんだけど、それってパックにトマト100%って書いてあるじゃない」


菜々も顔をしかめて、やんわりと断ってくる。


「ええー、おいしいのに」


ジュースを自分の前に戻すと、ストローを口に含んで、ちゅうっと飲む。



二人とも嫌がって飲まなかったことに、こっそりとホッとする。



(いつもなら、学校で飲まなくても大丈夫なのに)


あたしたちにとって、吸血は食事。


人ほど多くはとらないけど、1日に2回は飲む。


あたしはできるだけ少なく、1日1回、もしくは2日に1回までおさえてる。

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