淋しがりやのルビー
話は続いていて、神藤くんの言葉は残酷なくらいはっきりしていた。
血の香りとともに、息を飲み込む。
きっと、告白している女の子も同じような状況なんだろう。
「……そっか。時間をさいてくれて、ありがとう」
細く暗い声。
消え入りそうなそれは、途中から泣くのを我慢するために叫んでいるかのようなものとなっていた。
こっちまで痛くなりそう。
目の前で繰り広げられる光景に釘付けとなっていると、女の子が急に振り返った。
びっくりして、扉から身を引く。
覗いてることがばれた?
内心焦りながら、隣の教室の扉をそっとあけて、その中に滑り込んだ。
ほぼ同時に、ガラッと扉を開ける音が聞こえた。
パタパタと走る足音が遠ざかっていく。
――間にあった。
おそらく、彼女はあたしに気づかなかったんだろう。