紅蒼の空


「ちょっ。まて!腕がちぎれるって!」

 そう言って、明日香の腕にチョップを浴びせた。

「当たり前でしょ。ちぎるつもりで握っているから。」

 さらに力を加えながら言う明日香。

 あ……指が痺れてきた。
 屋上はまだなのか?

「って、屋上に着いたらさらにやばい気が……」

 恐る恐る明日香の顔を覗く廉。

「あっ。もう着くよ。お疲れ様ー」

ここで、満面の笑顔−−。

「お疲れ様って……うわあ!」

 どういう意味か聞く前に、屋上の入口めがけておもいっきり投げ飛ばされた。

 幸いな事に、入口のドアは開いていたので、そのまま屋上へと入る事が出来た。

 ゴロゴロゴロ……

 ガシャン!

 フェンスにぶつかって、ようやく止まる事が出来た廉。
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