感覚のレベル【BL】
 
 たかがビールでそれだけのことを考える僕は、脳みそまで茹だっているのかもしれない。

 ビールは嫌いじゃない。

 少し考えた後、プルトップに指をかけた。

 真っ昼間っからビール、気分は重役出勤以上だ。


「――で、なんの用だ?」


 話を振ってきたのは一也の方だった。

 丸まってしまった雑誌を開いて、あのページを開いて机の上に伸ばす。


「これがどうした」


 あっけらかんと言う。

 シラを切るつもりだな。
 
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