感覚のレベル【BL】
 
「この写真が」


 気になって気になって仕方なかったんだ。


「本当に一也かどうか」


 ――気になったんだ。


「確かめたかっただけ」


 僕の声を聞いているのかどうなのか。

 ビールを飲み干した一也は左手で缶を握りつぶした。

 ペキペキといい音が響く。


「あ、そう」


 ワンテンポ遅れて、乾いた返事が返ってきた。
 
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