感覚のレベル【BL】
1
出会いは偶然と必然の狭間で。
大袈裟に言えば「これぞ運命」みたいな感じだった。
背景は白。真っ白。純白。
床との境界線は、無い。
そして、一面の白の上に散りばめられた、白に対して鮮やかすぎる程に真っ赤な薔薇の花弁。
舞い散る赤。
その薔薇の上に、裸足で立つ一人の人物。
透き通るような白い肌。
濡れた様な質感の黒い髪。
その間から覗く深海色の、虚ろだけれど吸い込まれるような不思議な眼差し。
形の良い唇もまた深紅で、頬にも、白いシャツにもそこからはだけた肌にも、紅い色が飛んでいる。
右腕で赤い薔薇の花束を抱えて。
垂れ下がり、朱に染まった左手には漆黒の拳銃。
脚には茨を象った蔓の様なものが絡まっている。
白と、赤と、黒の世界。