感覚のレベル【BL】
それは何気なく開いた雑誌から僕の目に飛び込んできた映像。
あまりに衝撃的で鮮明で鮮烈で戦慄さえも覚える。
そんな感覚。
「あれ……?」
けれど僕は気付いてしまった。
運命だと思ったのもつかの間……。
まるで儚い夢のよう。
――どこかで……。
どこかで見たことがあるような気がした。
薔薇の花束を抱えた、華奢な体躯の彼。
どこかで見た気がしていた。
深海色の瞳。
カラーコンタクトの瞳。
虚ろな瞳。
言い換えれば何も見ていない瞳。
気怠そうにどこか別の場所を見つめている瞳。
「…………」