感覚のレベル【BL】
 
 本当の理由は、恥ずかしいから言わないけど。

 一也の感情的な表情が見たい、だとかそんなこと、本人に言ったら呆れられるだけだ。

 CDの声とは違う、写真の表情とも違う、生の一也。

 本当の声と本当の表情。

 僕は、それを感じたい。


「それで……」


 僕は徐に切り出した。


「集まらないとならないんでしょ? 行くの?」


「……行きたくねぇけど……行かないと……」


「じゃあ、行っておいでよ」


「でも、お前……帰るだろ…?」
 

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