感覚のレベル【BL】
 
 今度はしゅんとしおれて、まるで一人で留守番をしている子犬みたいだ。

 本当の一也は、ころころと表情が変わる。

 それが、可愛くて仕方ない。


「待ってて欲しいの?」


「……だって、次にいつお前と会えるかわからねぇし……それに、部屋にはすぐには戻ってこれないし……」


「僕は滅多にこないし? でもさ、僕等生活時間噛み合わないじゃない。僕は学校あるし、一也は仕事。でも、会えないわけじゃないんだから。また、ちゃんとくるから」


 一也の黒髪を掻き回して、僕はその華奢な躰を抱き締めた。

 僕の躰に回された一也の腕が、きつく僕を締め付ける。

 ちょっと痛いけど、一也の思いがそこに込められているような気がする。

 額にキスをして、頬にキスをして、唇とふれあって。

 未練は残るけど、僕の方から離れた。
 
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