感覚のレベル【BL】
勢いよく雑誌を閉じた僕は、それを握りしめるようにしてレジに駆け込む。
丁寧に挨拶をしてくれる店員が、この時ばかりは少し恨めしく感じた。
レシートを受け取らずに急いで出口を目指す。
途中、人とぶつかりそうになるが何とかクリア。
あまりにも時間が惜しい。
あの写真の彼を確かめたくて、茹だるような夏の暑さも忘れて、雑誌を篭に突っ込んで全力で自転車をこぎ出す。
彼の元へ。
真相を確かめるべく。
確かめたら?
本当に彼だったら?