感覚のレベル【BL】
 
 そんなことは、今は関係ない。

 後で考えればいい。

 今は何よりも、彼が雑誌の人物なのかどうなのか、確かめたい。

 ただそれだけ。

 ただそれだけで、猛スピードで、滴る汗を拭って自転車を進める僕は、何を望んでいるのか。

 自分自身分からない。

 けれど、あの写真を見たときの感覚が忘れられない。

 躰の中で何度も、何度も。

 頭の中で再生されて、体中を不思議な感覚が駆け抜ける。


 感覚のレベルもここまでくれば最高点。
 
< 5 / 38 >

この作品をシェア

pagetop