感覚のレベル【BL】
 
 そう、僕がこうしてへばりながらも一也[いちや]の前にいるのは紛れもなく彼の所為。

 彼があんなところに居るから。

 あまりにも僕に衝撃を与えるから。


「入れよ、暑いだろ」


「さんきゅ」


 玄関に入ると、奥の方から涼しい空気が流れてくる。

 少しだけ薄暗い廊下をの先に、彼の部屋がある。


「適当に座れよ」


 言いながらエアコンのリモコンを操作する。

 風量を変えたようだ。


「何か飲むだろ?」
 
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