感覚のレベル【BL】
 
 返事をして受け取ったのは缶ビールだった。

 まだ正午にもなっていないのに。


「…………未成年なんだけど」


「細かいこといわねぇの」


「お前もだろ」


「そりゃ、同い年だからな」


 まるで、冷蔵庫にはそれしか入っていないとでも言いたげだ。

 でもきっと、いや、それは嘘。

 唯単に、暑いから。

 ビールが飲みたかったから、それだけだろう。

 本当に単純な理由。
 
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