寺子屋恋物語
廊下に出た克己は、誰も見るものがいなくなったので、安心して背筋を伸ばして教室の入り口に立った。
(叱責を受け、廊下に立たされる屈辱を得てもなお、我が血潮、おさまる兆し無し。かくなれば、我が脳天と踵と、血潮の最高点をそれぞれ点とした場合、この三角形の面積やいやに)
克己は目を瞑って考え込んだ。
(我が身長が約171cm、そして・・・まてよ、下腹部で猛る是について、なんらかの測定を行ったこと、いまだかつて無し)
克己が解決することの無い疑問に頭を悩ませていると、由香子が教鞭を手に彼のもとへやってきた。
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