【短編】屋根裏
屋根裏
先日、僕等のクラスに新しいクラスメイトが加わった。
転校生って奴だ。
二学期も中盤。冬休みまであと一ヶ月もないって時期の転校生はどうにも根も葉もない噂がまとわりついていた。
このクラスでもそう。
やれ『夜逃げ』だの『前の学校での暴行』だの、信憑性はまるで皆無だと言うのに噂の蔓延は留まる事を知らない。
おかげで転校生は今じゃ好奇の的で話掛ける奴もいない。
話掛ける奴がいるとしたらそれはお節介な奴(主に委員長とか)か、転校生で悪ふざけをする奴だけだろう。
今だってホラ。
何かしらのゲームに負けた奴が罰ゲームと称して転校生に話し掛けている。
ため息が出た。
俺達だってガキじゃないんだから、物事の良し悪し位わかるだろうに。
だからだろう。
「悪ふざけしてんじゃねえよ」
罰ゲーム中の男子生徒はおろか、それを見て笑っていた奴らの表情も凍った。
「邪魔だよ、お前。罰ゲームなら人に迷惑がかかんねぇようにしやがれ」