【短編】屋根裏
俺は基本的に前者のお節介な奴だ。自他共に認める程に。
「消えろ」
「……んだよ。お前にゃ関係ねえだろ」
けれど結局は俺の横をすり抜ける際、聞こえるか聞こえないか位の声量でしかなくあまりにも負け犬の遠吠えでしかなかった。
多分、それはこのバカに出来る精一杯の強がりだったんだろう。
「大丈夫か転校生?」
転校生に目を向けると相変わらず机に突っ伏したまま、微動だにしない。
この転校生、朝からかれこれ三時間はずっとこの格好。
むしろ疲れるような気がする。
俺は後頭部を一掻きしてから転校生の正面の席に逆向きに座った。
「……何?」
腕と少し癖毛な前髪の間から俺を一瞥する。
俺からは、残念。転校生の眼は見えない。
ついでに表情もわからないからまるで感情も読めない。
まぁ声の質から言えば歓迎はされちゃいないな。
「いや、お前さ。この学校に来てまだ二週間位だけど全然クラスに溶けこんでないと思ってさ」
「……だから?」