Hearts! 【BL】
「あ、あぁ……、ラーン?」
「どうかしましたか?」
「いや……」
――どうしたんだろ、敬語で喋っても何も言わない。
――まぁ、いいか。その方が落ち着いて喋れるし。
「あの、唐突で申し訳ありません。国王、五日後の『公開決闘』……辞退して下さい」
「『公開決闘』?」
なんだそれは? というような彼のリアクションに、さすがのラーンも沸々と怒りが沸いてきた。
――この期に及んで、この男は……!
「何それ、新手の悪戯? 惚けるのもいい加減にしてよっ! 僕を揶揄うのがそんなに楽しい? 『公開決闘』に出たら……、国王がそんなのに出ちゃったら、どんな事になるか分かってるでしょ? もしかしたら殺されちゃうかも……、いや、殺されるだけじゃ済まないかも知れないんだよ!!」
彼の腕を掴んで、ラーンは訴えかけるような眼差しで彼を見つめる。