Hearts! 【BL】
「全く、もう少し自分の立場を考えて下さい」
「私は充分一国の主として働いているつもりだが。気に入らないかい?」
「別に……」
一人でブツブツ言っていると、急にスマルトが笑い出した。
「何ですか突然!」
怒り口調のラーンに、スマルトは更に腹を抱えて笑い出した。
「いや、悪いラーンがあんまりにも……」
――ザザザッ!
突然脇から人影が飛び出してきた。
瞬時にラーンは、スマルトを守るように前に出て剣を抜く。
「――さすがは騎士団長。『国王の為なら命を捨てても構わない』んだな」