Hearts! 【BL】
 
「──なぁ、知ってるかスマルト。反政府のヤツらは、今、どこかで俺達の命を狙ってるんだぜ」


「だから、何だと言うんだ」


「ここでお前が国王だってバレたら、どうなるか……分かるか?」


「クロード……?」


 クロードは剣を握り直し、彼の首筋へ剣を突き付けた。


「……国王スマルトは、騎士団員である俺にとっては守るべき主だ。けど、スマルトっていう男は俺にとって邪魔でしかない」


「──君、忘れているね?」


 不適に笑む彼を見て、クロードはわずかに引き下がった。


「私は魔法も嗜んでいるんだよ」


 彼が口の中で呪文を唱えるのが分かると、クロードは急いで遠ざかった。

 だが、遅い。

 彼が腕を伸ばしたと同時に、クロードの躰は後ろへ吹き飛ばされ、場外席へ突っ込んだ。
 
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