らぶきゅん
煙草はあまり好きじゃないが、何も言わないことにした。
「どんな人?」
「うーん…茶髪」
「そんなんいっぱいいるし。」
「まじうざいよ。超わがまま。目の下にほくろがある奴、わかんない?」
あまりに説明がおおざっぱで、うーん…と唸るあたしに、わかばが言った。
「高原郁也じゃない?名字一緒?」
「そいつそいつ」
あたしは一瞬考えて、思い出した。
あのイケメンか。
茶髪というかほとんど金髪に近く、着くずした制服で生徒指導室の常連。
一度だけ生徒指導室で顔を合わしたことがある。
「似てるっちゃぁ似てる…かも」
「喧嘩売ってんの?」
再び携帯に意識を集中させたわかばを放って、あたしと裕也くんだけで弟の話を少しだけした。