我ら地球防衛中学生!!


「斉藤!」


 近寄り必死に起こそうとして、頭の血が目に止まった。


 頭から血を出している。頭を強く打っている。下手に動かしたら、まずい。


 そこまでの思考がめぐり、斉藤に触れる手を躊躇した。


「山村さんに連絡しますわ!」


 花子が衛生士班長の斉藤めぐみに連絡を取る。


 大丈夫、息はある。


 意識がないだけで、呼吸が乱れている様子もない。


 脳震盪だろう。強く打っているだけだ。


 とりあえず、邪魔にならないような安全の艦橋の隅に寝かせる。


「美並は早く、状況の建て直しを!」


 佐倉が怒鳴る。


 そうだ、状況を確認しなければ。


「あ、あぁ、分かった。」


 言われて、楓は操舵を握る。


 あれ?私が操舵を握ったら、艦長席には誰が・・・。


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