やくざと執事と私【第2部:ラブ&レース】
「小夜姉さん!!!そこは、止めるところでしょ!!!・・・・・まったくもう・・・小夜姉さんは、KYなんだから・・・・だからアッシがついていないと駄目なんだな。」
あきれた表情で溜息をつきながら私を見るポチ。
「いや・・・あのポチさん?やめていいんですよ?」
念のため、確認する私。
「わかってますよ。小夜姉さんは、アッシがいないと駄目なんでしょ?」
にやつきながら私を横目でみるKYなポチ。
私は、そんなポチを見ながら、深海よりも深い溜息をついた。
ボコッ!
にやけるポチの後頭部にいきなり野球ボールが飛んできて当たった。
「アヒャッ!」
変な声を上げて、その場に倒れるポチ。
「何サボってんだよ、ポチ。さっさと運べよ!」
ポチの後ろの庭には、真木ヒナタが立っていた。
私は、ポチに当たって庭に落ちたボールを見る。
それは、野球のボールだった。