やくざと執事と私【第2部:ラブ&レース】
第11節:久しぶりのアパート
私が準備をすませて、門にいくと、すでに真木ヒナタが待っていた。
「遅いよ、小夜!」
私は、腕時計を見るが、約束した1時間後には、まだ、10分早い時間だった。
「・・・・約束の時間覚えてます?」
「1時間後だから、アイス6本食べ終わった時間と同じだろ。俺、だいぶ前にアイス6本食べ終わったぞ!」
憤慨した表情の真木ヒナタ。
「・・・・時計は見ないんですか?」
「俺は、時間に縛られない男なのさ!」
どこか微妙に違和感がある真木ヒナタの言い方。
「・・・・・誰の真似ですか?」
なんとなく想像はついていたが、聞いてみた。
「・・・・大和が時間に縛られる男は、カッコ悪いって。もし、時計はって聞かれたら、こう答えろって教えてくれた。」
私は、溜息をつきながら、真木ヒナタを見る。