やくざと執事と私【第2部:ラブ&レース】
「いいんですか、ヒナタさん?」
私は、うれしくて真木ヒナタを見た。
本当は、私も40分も歩くのは嫌だったし。
「当然。1万円も貰えるんだから気にするなよ。」
私は、後部座席に真木ヒナタと乗り込んだ。
「お客さん、どちらまで?」
私と真木ヒナタが乗り込むと、運転席の男性が話しかけてきた。
「・・・・・こんなところで何してるんですか、組長?」
運転席に座っていたのは、右の頬が少し赤くはれている組長だった。
「・・・・・いや、ヒナタから小夜についていけば、1万円貰えるって聞いたから。」
笑顔の組長。
「・・・・あれは、真木さんだけですよ?」
「・・・・・8,000円でどう?」
組長は、値段交渉を始めた。
「・・・・・4,000円ならいいです。」
値切る私。
「・・・・・せめて6,000円。」
泣きそうな顔の組長。
「・・・・・せいぜい5,000円ですね。」
「よし!それで手を打とう。」
うれしそうな組長と私は、車内で握手をする。