やくざと執事と私【第2部:ラブ&レース】


車のナビに私のアパートの住所を入れて、その指示通りに運転する組長。



「小夜、懐かしいんじゃないのか?」



組長が、後ろを振り返って私に話しかけてくる。



「組長!前向いて運転してくださいよ!・・・・そうですね。懐かしいのは、本当に・・・・なんて言ったらいいのか・・・懐かしいっていうか、うれしいっていうのか、悲しいっていうのか・・・いろいろ入り混じった気持ちですけど・・・。」



少しうつむき加減で組長に答える私。



「おっ、そろそろ到着するみたいだぞ。」



面白そうに後部座席から身を乗り出してナビを見ていた真木ヒナタが声をだす。



私は、窓の外の景色を眺める。



その景色は、私が幼い頃から見慣れた風景だった。

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