やくざと執事と私【第2部:ラブ&レース】


「・・・・やっぱり、ご両親は、あの火事で亡くなったの?」



おばさんが、今にも涙を流しそうな目で私を見る。



「火事・・・ですか?・・・・いえ、両親は、交通事故で亡くなったんですけど?」



私は、おばさんが何の事を言っているのかわからない。



「そうだったの・・・・。」



おばさんは、我慢できなくなったのか、目から涙が零れはじめた。



「このハンカチをどうぞ。」



おばさんが涙を流し始めてすぐに、組長が、ハンカチを取り出し、おばさんに差し出す。



「えっ、あ、ありがとう・・・・ところで、あなたは?」



おばさんは、組長からハンカチを受け取り、涙を拭きながら、組長を見る。



「これは、失礼致しました。私は、こちらの小夜さんのフィ~アンセの笹山大和です。」



組長は、まるで執事を見ているかのように華麗にお辞儀をする。

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