やくざと執事と私【第2部:ラブ&レース】
(うわぁ~・・・・なんてウソクサイ笑顔・・・・)
と思うのも当然。
その瞬間、真木ヒナタがいきなり咳をしながら、膝をついた。
「ゴホッゴホッゴホッ」
「大丈夫か、弟よ!」
これまたウソクサイ兄の演技で組長が駆け寄る。
「どうしたの?」
おばさんが、心配して、組長と真木ヒナタに声をかけた。
「実は、弟は、不治の病に侵されていまして・・・・・1時間に1回、糖分を取らないと死んでしまうんです。」
組長が、嘘泣きしながら、おばさんに答える。
「ゴホッゴホッゴホッ」
一段と酷くなる真木ヒナタの咳。
「それで、その糖分は取ったの?」
おばさんが真木ヒナタの様子に焦りながら、組長に尋ねる。