やくざと執事と私【第2部:ラブ&レース】
「それが・・・急な外出だったもので・・・・あいにく持ち合わせが・・・・」
「・・・いいんだよ、大和兄さん。・・・・ほら、僕には、もう天使が迎えに来ているのが見えるよ・・・」
真木ヒナタが、組長に支えられながら、空へと手を伸ばす。
「あ、あの、救急車呼びましょうか?」
さらに焦るおばさん。
「いえ、それよりもアイスのような糖分を含む食べ物があればいいんですが?」
組長が冷静に答えた。
「アイスね。ちょっと待っててよ。」
おばさんは、急いで家の中へと駆け込んでいった。
「・・・・・・・・・で、何がしたいんですか?」
おばさんがいなくなった所で、私が、組長と真木ヒナタに尋ねる。
「わかんないのかよ、小夜!まったくお前は・・・まだまだだな!」
なぜか真木ヒナタにダメダシされる私。
その時、おばさんが凄い足音を鳴らしながら戻ってきた。