やくざと執事と私【第2部:ラブ&レース】


「大和は、5,000円だよ。」



「ヒナタ、テメェ~!フォローしたんじゃなかったのかよ!」



組長は、真木ヒナタに詰め寄ろうとするが、執事の表情の変化に気づき、すぐさま、部屋を脱出して逃げていった。



「・・・・まったく、大和は・・・」



執事は、組長を追わずに悲しそうな表情をしてつぶやく。



「それよりも、ポチは?」



真木ヒナタが、執事に聞いた。



「今、手当てをして、眠ったところです。・・・後頭部に大きなコブが出来ているので、それが原因でしょう。とりあえず、様子を見て、悪いようなら救急車を呼ぶつもりですが、今の所は、容態が落ち着いているようですので。・・・・ところで、ポチさんに何か御用ですか?」



執事は、私と真木ヒナタを見る。



「小夜のアパートの火事っていうのが、何か引っかからない?詳しい火事の日にちは、わからないけど、1ヶ月前って言っていたから、ほぼ、小夜がヤクザともめて、アパートを飛び出した時期と一致するっていうのが。」



真木ヒナタが、執事に説明した。



「・・・・確かにそうですね。・・・それで、なぜ、その話にポチさんが入ってくるのですか?」



「それは・・・」



私が、執事にポチが私のアパートに来た時のことを説明した。
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