やくざと執事と私【第2部:ラブ&レース】
「・・・なんとなく、わかりました。・・・いつか・・・・・・・。」
サブは、真剣な表情でそのまま黙り込んだ。
執事は、そんなサブの様子を微笑ましいものを見る目で見守っていた。
私はと言うと、もう、どういう顔をすればいいのかわからず、ただ、ただ、顔を熟れたトマトのように真っ赤にしておくことしかできなかった。
カチャ
小さな音が静まり返った部屋に響く。
私は、音のした方を見ると、サブの後頭部に拳銃を突きつける真木ヒナタが立っていた。
「・・・あの・・・これは、どういうことでしょうか?」
後ろを見なくても状況がわかったのか、サブが、前を向いたまま声をだす。
「・・・・サブがもし、小夜と結婚させてくださいって言ったらって考えてたら、俺ならこうするかなって思ってさ。」
真木ヒナタが、淡々と説明する。
「あの~・・・それで、なぜ、実際、行動されているんですか?」
「えっ、想像してたら、なんかサブにムカついてきちゃって・・・撃っていい?」
「駄目に決まってますよ~。執事さん~!」
サブが、焦った様子で執事に助けを求める。