やくざと執事と私【第2部:ラブ&レース】
「え、サルは、その仕事のために紹介された奴なんで、一緒に組長からの命令は聞いてないんですよ。・・・・ただ、思いっきり失敗したんで、一緒に組を破門されて追い出されたんで、その後は一緒に行動したんですけど。」
「・・・・サル・・・悲惨だな。」
真木ヒナタがつぶやく。
「・・・・・・小夜さん、もう一度だけ、詳しく状況を確認させていただけますか?」
ポチの説明に少し考え込んでいた執事が、私を見る。
私は、その時の状況をより詳しく執事に説明した。
そして、その説明を聞いた執事は、黙り込んでしまった。
「どうしたんだよ、龍一?」
考え込む執事に真木ヒナタが声をかける。
「・・・・・ヒナタさん、ちょっとこちらへ。」
執事が真木ヒナタを呼び、部屋のすみで小声で何か話し始めた。
2人の話し合いが終わって、執事が私達に言った。
「それでは、今から、鮫田組に殴りこみをかけます。」
執事の宣言に誰も声をだすことが出来ずに呆然としていた。