やくざと執事と私【第2部:ラブ&レース】
「・・・・嫌です。」
これ以上ないくらい嫌そうな表情のポチ。
「・・・オネショのこと他の奴に言われたくないんじゃないのか?」
にやけながらの真木ヒナタの言葉。
「・・・いや・・・その・・・・はっきり言ってアッシ、役に立ちませんよ?」
まさかの本人からの役に立たない宣言。
「知ってるよ。ポチの役回りは、人質だよ。」
真木ヒナタが、ポチに説明する。
「人質というと?」
ポチが、理解できずに真木ヒナタを見る。
「ああ、ポチは、執事を殺そうとして、逆に捕まった奴の役だよ。・・・・まぁ~、今の状況とほとんど同じなんだけどな。」
「・・・それって、アッシ、鮫田の組長に殺されますよね?」
「・・・失敗すればな。」
「・・・失敗する確率は?」
「・・・・・・大丈夫だろ。」
真木ヒナタは、一切ポチと目を合わせずに答える。