やくざと執事と私【第2部:ラブ&レース】
「嫌ですよ。アッシは、ここを離れませんよ。まだ死にたくないですから。死ぬなら、意地の悪い真木さんが勝手に死んでください。」
ポチは、ベットにしがみつく。
真木ヒナタは、ポチの後頭部を持っていたヤカンで思いっきり殴った。
ガァ~・・・・・ン。
鈍い鐘のような音が部屋に響く。
ポチは、後頭部を殴られ、死んだセミが木から落ちるようにポトッと床に倒れた。
「真木さん・・・・・」
みんな、あきれた様子で真木ヒナタを見た。
「なんだよ。どうせ、ポチは縛って連れて行くんだから、気絶しておいた方が、怖くなくて本人のためにもいいだろ?」
みんなの責める視線を浴びて、真木ヒナタが行動の説明をした。
「・・・・そうですね。ポチさんのためには、いいかもしれません。・・・あっ、ヒナタさん、組長に鮫田組の件を連絡に言っていただけますか?ポチさんは、私が車に運びますから。」
執事が、真木ヒナタに声をかける。
「了解。それじゃ、車でな。」
真木ヒナタは、組長に話すために部屋を出て行った。