やくざと執事と私【第2部:ラブ&レース】
「あの~・・・・私もついて行きたいんですけど?」
私は、思い切って執事に言ってみた。
だって、どう考えても、私と関係があることに思えたから。
「駄目です。」
即答で断る執事。
執事の言葉には、いつものような優しさがなかった。
「・・・・どうしてですか?」
私は、どうしても納得が出来ずに執事に詰め寄る。
「・・・・フウ・・・・。小夜さん、鮫田組というのは、前の暴走族などとは違い、本当の極道です。そういう場には、私は、小夜さんを連れ出したくはないのですよ。小夜さんは、あくまで、私の部下である執事見習いなんですから。」
困ったような表情で答える執事。
「龍一さん・・・私に何か隠していませんか?」
「・・・・・・・」
執事は、無言だった。
「何で説明してやらねぇ~んだよ、龍一?」
その時、ドアを開けて、組長と真木ヒナタが入ってきた。
「組長・・・・、小夜さんには、関係ありません。」
執事は、苦い表情になった。