やくざと執事と私【第2部:ラブ&レース】
「おい!龍一!行くぞ!」
少し離れた場所にいた組長が、執事に声をかけてくる。
「わかりました。・・・・・それでは、小夜さんとサブさんは、私達が、乗り込んだ後で入ってきてください。」
執事は、私とサブに言い聞かせた後で組長の方へと歩いていった。
「なぁ~小夜~。」
私は、後ろから、気の抜けたような声で呼ばれて振り返る。
「あれ、真木さん?真木さんは、組長と龍一さんと一緒に行かれないんですか?」
私は、私の後ろに立っていた真木ヒナタに声をかける。
「え、ああ、俺は、今回は、いいや。大和と龍一には、俺の部下を一緒に行かせるから、俺、必要ないし。」
真木ヒナタは、珍しく興味なさそうに言った。